自分のご両親がご健在で、なおかつご両親が借金を作っているなどというケースでは特に問題なくご両親が借金の返済をしている以上何も心配はありません。
しかしご両親が亡くなってしまい、被相続人となったあと、被相続人の借金が発覚するケースなどがあります。
借金といっても生前に被相続人が抱えていた負債すべてが相続問題では相続人にかぶってくることになるのですが、あまりにも負債の大きい場合には相続人が放棄することも可能になっています。

さらにはプラスになる財産も残っているといったケースでは限定承認を行いプラスになる部分の財産を受け取り負債として残っているものに関してもしっかりと支払いをするといった方法があります。
単純に借金ではなく、例えば税金の未納などがあった場合には、被相続人が亡くなってからすぐに市役所から未納となっている税金の支払を命じられてしまうようなケースもあるので注意が必要です。
単純に資金がないからと安心できるものではなく、こういったケースもあることを覚えておきましょう。

まずはどれだけ未納があるのかを確認する

被相続人が亡くなった後は市役所に書類を提出しなければなりませんので、当然ながら市役所側としても、未納の税金などがあれば、この税金を支払ってもらうため、相続人となるご家族に連絡をしてくることがあります。
遺産相続を行う際にはプラスもマイナスも相続しなければなりませんから、相続人としては原則的に未納となっている税金の支払をする必要があるのですが、どうしてもここで支払いをしたくないといった場合には相続権の放棄をすることによって、未納の税金は支払をしなくてよくなります。

まずは未納となっている税金がどれだけあるのかを確認する必要があるので、役場などからこうして連絡が入ったら、一度足を運んでしっかり確認するようにしましょう。
またその際には自分が支払いますからと言って約束をせず、これから相続協議を行いますので、その後改めてご連絡しますという形で済ませた方が良いです。
その税理士さんなどを入れ相談しながら相続人として分割協議を行いますが、未納となっている税金がさほど大きな金額ではなく、何とか相続人で協力して支払うことができるのであればこのような部分についてどれだけの支払いをするのかと言う部分で、相続人同士の中でしっかり決めるようにしましょう。

その上で残された財産についてどのように分割るのかといった協議を行っていきますが、反対に、未納となっている税金が非常に高額で支払いが難しいといった場合には、相続権の放棄をすることでそれ以降の請求もなくなります。
また少なからずプラスになる財産が残されているというケースでは、限定承認を行いプラスになる財産を受け取った後で未納となっている税金を支払っていくという方法もあります。
また未納となっている部分については納税相談などを行うことで一括での支払いではなく、分割での支払いを選択することもできますので、少しでもご両親が未納として残した負債を支払っていくつもりがあれば、このような方法で役場とは話し合いを持つと良いでしょう。

未納の税金を支払う際には遅延金が必要になる


被相続人が未納の税金を残していた場合、相続問題が解決してから放棄しない以上は税金を支払っていく必要がありますが、これまでに未納となっていた期間に遅延金が発生していることがほとんどですから、遅延金の支払いも行っていかなくてはなりません。
ただしこのような部分についてもやはり役場に足を運び納税相談を行うことで月々に支払っていく金額や支払い期間などは調節することができるので、一括での支払いが難しいと言った場合には十分な相談を行うようにしましょう。

さらに相続協議を行っていく中で税理士さんを間に入れているということを伝えておけば、自分たちだけで財産を隠し持っていると役場側に疑われてしまう可能性も少なくなり納税相談などもスムーズに運びやすくなります。

遺言書というのはご本人が自筆でサインをしなければならないという決まりがあります。
遺言書の内容については、自筆で記してもパソコンやワープロなどで作ってもよいことになっているのですが、サインについては必ずご本人が自筆で行わなくてはならないといった決まりになっており、自筆でのサインがなければ、遺言書として扱われることはありません。

また、公正遺言書になっている場合には当然ながら公正役場にしっかりと登録されていますので、間違いなく法律的にも効力を持つものとなりますが、公正役場に登録されていない状態での自筆遺言書が残っていた場合には偽造されるケースや、無理やりに遺言書を書かせてしまうといったケースがあります。
被相続人の亡き後に遺言書が発見され、この遺言書について何か不可解な部分があれば徹底的に検証を行い、本当にご本人が作ったものかどうかを確認しなければなりません。
その上で分割協議へと進んでいきましょう。

明らかに無理矢理に遺言書を作らされた場合

被相続人の生前に遺言書を作ったなどという話は誰も聞いたことがなく、被相続人がなくなって遺言書が見つかったというケースでは被相続人の自筆でサインがあれば、この遺言書を基に相続協議を行っていくことができます。
しかしワープロやパソコンの文字で作られた遺言書に関しては自筆でのサインがなければご本人が作ったものとして認識することはできないため、この遺言書通りに相続協議を行うことができません。
さらに、この遺言書そのものが誰かが無理やり作ったものだと思われる場合には、誰がこのようなことをしたのかについて事実確認を行う必要があります。

どのように考えても相続人の誰かが無理やり作らせたということが考えられるのですが、はっきりとした証拠が見つからず、誰が作らせたのかわからないといった場合には、ひとまずこの遺言書そのものは効力を持たないものとして破棄することになります。
その上で相続協議を行っていくのですが、万が一にでも誰が強引に作らせたのか発覚した場合には、強引に作らせた本人の相続権を欠格として分与分などについてもすべて撤廃することが可能になっています。

相続権の欠格をするためにはそれなりの理由がなければならないのですが、遺言書を強引に作らせたというのは法律違反になりますから弁護士の先生に相談すると良いでしょう。お近くの弁護士を探すか、最近は無料相談を実施している事務所もあるので、そちらを利用するのも手です(相続の無料相談対応弁護士事務所|練馬法律事務所)。

遺言書に税理士の名前などが掲載されている場合

上記の内容とは少し逸れてしまいますが、ご本人が作った遺言書として確認できるというケースでは遺言書の中に遺産協議を行っていく上で、その税理士さんを頼りなさいと指示されていることがあります。
このような場合には、指示通りに税理士さんを探し、連絡を入れるようにしましょう。
こうした場合には被相続人と税理士さんが顔見知りであったりするケースがほとんどですので、とても良心的に相続協議について相談にのってくれる可能性が高いと言えます。

ただし反対に被相続人の指定などはなく、単純に税理士さんの名前などが掲載されているといった場合には、まずは税理士さんに直接連絡をして被相続人と何かしらの交流があったかどうかを確認してみると良いでしょう。
もちろん、遺言書の中に名前が掲載されていたことを話した上で被相続人との関係性を確かめましょう。
特に面識などもなく、さらには、被相続人の自筆によるサインがないといったケースは、やはり誰かが偽造をしたと考えられますので、この遺言書は効力を持たず全く役に立たない紙切れとなってしまいます。
どのような遺言書であれば法的な効力を持っているのかについてできるだけ多くの人々が知ることで、偽造された遺言書や強引に書かせてしまった遺言書通りに遺産分割をしてしまう心配がなくなります。